おこめはいいぞ

全部主観です

社会と、宗教的「可愛い」からの解放

 

子供から大人になっていくにつれ、世の中はだんだんと解像度を増していく。

 

同い年の友達が先生になったことで、あの時全知全能に見えていた先生も普通の人間だったと気付いたり。

100万円も手に入ったら幸せになれると思っていたけれど、実際は1年暮らすのがやっとの金額だと気付いたり。

完全に信頼できるような人間なんていないし、100万円じゃ欲しい顔も家も車も買えない。

世の中を一つ一つ知る。

幸せがどんどん遠ざかる。

 

同時に、私たちを取り巻く世の中もだんだんと姿を変えている。

 

近所のイオンはいつの間にやらドン・キホーテになったし、プリクラにはつけまつ毛が付いてこない。

iPhoneなんて子供の頃はなかった。

成長と共に世の中が変わっていく。

時が経つのは、悪いことばかりではない。

 

小さい頃はメイクは夢みたいなもので、誰でも可愛くなれるものだと思っていた。

実際、メイクで可愛くなるには相当な自己研究が必要だし、それも確実な方法ではないのだとすぐに思い知ったけれど。

 

アイプチ・アイテープの括りは中学生の時に知った。

みんな使っていた、もちろんわたしも。

パーソナルカラーは中学生の家庭科で少し習った程度だったと記憶している。

今こんなに誰でも知っているようなものになると思わなかった。

多分、人中短縮メイクや涙袋メイクや鼻プチ、中顔面が何だとか出目奥目が何だとかいうのは、最近になってからの文化だと思う。

骨格診断はどっちか分からないけれど、流行り始めたのは最近のイメージ。

 

これは時代による変化だと思う。

だって、こんなの今までなかった。

長年女性は「美」を強いられ、「美」とされないものは迫害されてきた。

それに加えて、SNSの時代になり、加工が流行り、賞賛の言葉も心無い言葉も全世界から浴びせられるようになってしまった。

画面に映る写真だけで「美」を判断される時代。

当然加工が流行り、当然現実の姿も加工に寄せたいと思ってしまう。

加工と現実はなるべくイコールではないとダメだから、アプリから「自分」を逆輸入する。

加工と現実の顔が違うと、叩かれる。

それが普通のことになっている感覚が行き過ぎていると感じてしまう。

理想の自分を作って満足してる、それだけでいいじゃんあなたに関係ない。

加工も整形も、全く悪いことではない。

そもそも悪いことだとしても、法的に制裁を受ければもう済んだ話であって、第三者に攻撃される筋合いはない。

罪を裁くのは裁判所だ。

 

女性ばかりが「美」を過剰に求められる意味が分からない。

と言うと、男性は「金」を過剰に求められているよ、と言われるんだろうな。

確かにそうだな、と思う。

理解はできても、それぞれの辛さはきっと分かり合えないだろう、とも。

女性が「金」を求められないのは、賃金や雇用などの大きな性差のせいだろうなと想像している。

あとは「男性は外で稼ぐ、女性は家を守る」みたいな古くからの価値観。

わたしのすごく優秀な友達は、結婚してすぐ辞める前提で就職活動をしていた。

人の人生を勝手に自分の物差しではかるのは図々しいことなのは承知の上で、その時は少しだけ勿体ないな、と思ってしまった。

反対に、男性が「美」を求められないのは…と書こうとしたけど、これに関してはそれなりに求められている気がする…。

これは想像にすぎないけれど、性差で多くの女性は「金」をあまり稼げないけど、生きる為に絶対に必要なものだから、男性に補完してもらうしかないのではないか。

世の中にあまり見た目に気を遣わない男性が多いように見えるのは、「金」ばかりを求められていると社会に刷り込まれすぎて、お金を稼ぐことに執着してしまい、余裕がなくなってしまうのかな?と思った。

あくまで想像なので本当のところは分からないけれど。

そもそも正社員の働き方って結構窮屈だし。

片方が週5フルで働いて、片方は職を失う。

みたいなの、極端すぎて健康的ではないと思うんだよな〜

解決するにはどうしたらいいんだろう。

「美」を求める男性と、「金」を求める女性の「パパ活」なんて一番、世の中に存在していることが苦しい。

世の中の解像度が上がり暗い部分が見えるようになった。

しかも、この辺りの価値観は子供の頃に比べて少ししか良くなっていない。

全体の価値観を変えるのはとてつもなく難しいから、少し良くなっただけでもすごいと思う。

たくさんの人が動いた結果。

だから、これからわたしも考えて伝えていきたい。

世の中、変えて行けたらいいな…。

 

熱くなってしまい、少し脱線しましたが、

生きているだけで「美」を過剰に求められ、それによって苦しめられている女性がたくさんいると思うしそれが一番悔しくて。

二重で、脱毛していて、痩せていて、パーソナルカラーや骨格にあった服装をしているのが女性のデフォルトになってしまっている。

確かに誰から見ても可愛く思われる最適解だと思うけど。

女性ならそうであれ、みたいな同調圧力が社会全体にうっすら漂っていて、少し宗教的にすら見えてしまう。

もちろん美容が好きでやっているならそこに当然行き着くだろうし、素敵なことだけど、女性はそういうことをしなければいけない、という世の中になってほしくない。

どんなまぶただってそれぞれ可愛いし、脱毛のローンは大抵の学生~20代には高い。パーソナルカラーも骨格も便利なツールではあるけど、縛られて好きな服装ができなくなったら元も子もないと思う。

 

そもそも「可愛い」には色々な原理があり、無数の種類があると思う。

わたしは、「可愛い」を誰にも強要されたくないし、強要したくない。

「可愛い」は自分から掴みに行くから良い。

他人受けの「可愛い」のために、自分の思う「可愛い」を捨てるのは、わたしの中ではあまり可愛くない。

そのままの自分を肯定できることが1番良い。

 

宗教的な「可愛い」に縛られる人が、これ以上増えないことを願っています。